監修:独立行政法人 国立病院機構 北海道医療センター
臨床研究部長 新野 正明 先生

NMOSDの検査

問診

主な症状、本人の病歴、詳細な症状の程度と経過を聞き取ります。

神経学的検査

神経のどの部位にどのような障害が存在するのかを判断するために行う検査です。NMOSDでは、次のような部位・症状を確認します。

  • 言語・精神状態
  • 顔面/舌/咽頭
  • 筋力
  • 腱反射
  • 感覚
  • 視力/眼底/眼球運動
  • 聴力、耳鳴り、めまい

血液検査

血液中に、抗AQP4抗体などの自己抗体があるかどうかを調べます。

磁気共鳴画像(Magnetic Resonance Imaging:MRI)検査

強い磁気と電波を使って、脳、視神経や脊髄などの病変を画像として映し出す検査です。

眼科検査

視神経障害・視野の検査を行います。

脳脊髄液検査

腰部から脳脊髄液を採取する腰椎穿刺を行い、中枢神経内で異常な免疫反応が起こっていないか、脳脊髄液の状態を調べます。NMOSDでは通常、脳脊髄液に次のような所見がみられます。

  • 細胞数増加(50個/μL以上)
  • 総タンパク濃度上昇(急性増悪期)

誘発電位検査

体の感覚器に刺激を与え、その刺激が脳に達するまでの速さと強さを調べます。

  • 視覚誘発電位(Visual Evoked Potential:VEP)検査:視神経を調べる検査
  • 聴性脳幹誘発電位(Brainstem Auditory Evoked Potential:BAEP)検査:脳幹を調べる検査
  • 体性感覚誘発電位(Somatosensory Evoked Potential:SEP)検査:脊髄と脳幹を調べる検査
  • 運動誘発電位(Motor Evoked Potential:MEP)検査:脳に磁気刺激を与えて、運動神経の機能を調べる検査

MSキャビン. 視神経脊髄炎完全ブック第1版. MSキャビン. 2018. p.33-49