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ユプリズナによる治療
NMOSDとユプリズナ
ユプリズナは、CD19というタンパク質に結合し、B細胞により産生される
抗AQP4抗体の産生を抑制する作用により、NMOSDの再発を予防します。
監修:独立行政法人 国立病院機構 北海道医療センター
臨床研究部長 新野 正明 先生
ユプリズナは抗AQP4抗体を含む抗体の産生を抑える作用が期待されます。
NMOSDの発症機序
多くのNMOSDの患者さんの血中には、脳や脊髄にあるアストロサイト※1という細胞を攻撃する自己抗体※2(抗AQP4抗体)が存在します。抗AQP4抗体はB細胞(形質細胞などを含む)から産生されます。このB細胞※3によって産生される抗AQP4抗体が、アストロサイトのAQP4に結合することで、アストロサイトに炎症が発生し、神経障害へとつながります。
- ※1:アストロサイト:中枢神経系の神経細胞のひとつ。血管と神経細胞をつなげ、血液から神経細胞に必要な物質を供給している。
- ※2:自己抗体:からだを守るために人間のからだの中で作られる物質を抗体といい、何らかの原因で自分の体の一部に対して作られる抗体。
- ※3:B細胞:体内に侵入した病原体を排除するために必要な「抗体」を作り出す。
NMOSDの発症機序(イメージ図)

ユプリズナの作用
ユプリズナは、B細胞の表面に発現するCD19というタンパク質に、結合しやすい性質を持つヒト化抗CD19モノクローナル抗体製剤です。
ユプリズナは、 CD19陽性B細胞を減少させる作用があり、 CD19陽性B細胞により産生される中枢神経系を障害する抗AQP4抗体を含む抗体の産生を抑制します。
ユプリズナの作用機序(イメージ図)

田辺三菱製薬(株):In Vitro薬理作用(社内資料)(M2.6.2.2.1)
田辺三菱製薬(株):In Vivo薬理作用(社内資料)(M2.6.2.2.2)