監修:独立行政法人 国立病院機構 北海道医療センター
臨床研究部長 新野 正明 先生

視神経や脊髄、脳などに炎症を起こす自己免疫疾患です。

目の奥に感じる痛み

NMOSDの多くは、抗アクアポリン4(AQP4)抗体などの自己抗体によって、主に視神経、脊髄および脳が障害される病気と考えられています。

NMOSDの症状は、どこに病変ができるかによって千差万別です。

視神経が障害されると、視力が低下したり、視野が欠けたりします。この症状が出る前や出ている最中に目を動かすと目の奥に痛みを感じることがあります。

脊髄が障害されると、胸や腹の帯状のしびれ、ピリピリした痛み、手足のしびれや運動麻痺、尿失禁、排尿・排便障害などが起こります。脊髄障害の回復期に手や足が急にジーンとして突っ張ることがあります。これは有痛性強直性けいれんといい、てんかんとは違います。

手のしびれ

脳幹部が障害されると、目を動かす神経が麻痺してものが二重に見えたり(複視)、目が揺れたり(眼振)、顔の感覚や運動が麻痺したり、ものが飲み込みにくくなったり、しゃべりにくくなったりすることがあります。

小脳が障害されると、まっすぐ歩けなくなり、ちょうどお酒に酔った様な歩き方になったり、手がふるえたりすることがあります。

大脳の病変では、手足の感覚障害や運動障害の他、 認知機能にも影響を与えることがあります。ただし、脊髄や視神経に比べると脳は大きいので、病変があっても何も症状を呈さないこともあります。

NMOSDでは、しゃっくり、嘔吐、傾眠などが出現することもあります。

難病情報センターホームページ(2021年4月現在)から引用
難病情報センター https://www.nanbyou.or.jp/entry/3806