重症筋無力症(MG)について

全身型MGの治療法について

発症年齢や症状の型、自己抗体の種類、重症度、胸腺腫の有無などにより適した治療法が変わってきます。そのため、患者さん一人ひとりの状態を総合的に評価しながら、治療方針を決めていきます。

全身型MGの治療法について
  • AChR:アセチルコリン受容体、MuSK:筋特異的受容体型チロシンキナーゼ
  • 1)より作成

全身型MGにはさまざまな治療法があります。

全身型MGのさまざまな治療法

  • ACh:アセチルコリン、AChR:アセチルコリン受容体、MuSK:筋特異的受容体型チロシンキナーゼ
  • 1~5)より作成

①胸腺などのリンパ組織で免疫のバランスが崩れる

  • 胸腺摘除
    胸腺腫では原則手術が行われます。若年発症かつ抗AChR抗体陽性で、過形成胸腺が疑われる患者さんでは手術が検討される場合があります。

②免疫細胞のはたらきが活発になる

  • ステロイド
    体内の炎症や自己抗体を含む過剰な免疫反応を抑える薬です。
  • 免疫抑制薬
    リンパ球のはたらきや増殖を阻害し、免疫反応を抑える薬です。
  • B細胞標的療法
    抗体産生を担うB細胞のはたらきを阻害する薬です。

③MGの原因となる自己抗体ができる

  • IVIg
    正常な免疫グロブリンを点滴する治療法です。
  • 血漿浄化療法
    専用の装置を使用し、血液の中から自己抗体などを取り除く治療法です。
  • FcRn阻害薬
    抗体が再利用される仕組みに関わるFcRnという物質のはたらきを阻害し、抗体を減少させる薬です。
  • IVIg:静脈内免疫グロブリン療法、FcRn:胎児性Fc受容体

④神経筋接合部の伝達が悪くなる

  • 抗コリンエステラーゼ薬
    神経から筋肉へ信号を伝えるアセチルコリン(ACh)を分解する酵素を阻害し、症状を抑える薬です。
  • 補体阻害薬
    補体の過剰な活動を抑え、神経筋接合部の組織が破壊されるのを防ぐ薬です。
  • 1)

    重症筋無力症/ランバート・イートン筋無力症候群診療ガイドライン作成委員会 編.
    重症筋無力症/ランバート・イートン筋無力症候群診療ガイドライン2022. 南江堂. 2022. p.7-8, 31-3, 46-7, 50-3, 63-76, 84-5

  • 2)

    重症筋無力症/ランバート・イートン筋無力症候群診療ガイドライン作成委員会 編.
    重症筋無力症/ランバート・イートン筋無力症候群診療ガイドライン2022 追補版2025. 南江堂. 2025. p.1-19

  • 3)

    Fichtner ML, et al.: Front Immunol. 2020; 11: 776.

  • 4)

    Seth NP, et al.: mAbs. 2025; 17: 2461191.
    [利益相反:本論文の著者に、アムジェン社からコンサルタント料、アドバイザリーボード料を受領している者が含まれる。]

  • 5)

    Kaminski HJ, et al.: J Clin Invest. 2024; 134: e179742.

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