FAQ
- ユプリズナに期待される作用は?
IgG4関連疾患の患者さんに対して、CD19陽性B細胞を減少させる作用が治療効果として推定されています1)。
- 1) Lanzillotta M, et al.: Mod Rheumatol. 2023; 33(2): 258-65.
- ユプリズナの投与方法は?
- ・前投与
インフュージョンリアクションのリスクを低減し症状をコントロールするために、ユプリズナ投与の30分~1時間前に抗ヒスタミン薬及び解熱鎮痛剤を服用し、ユプリズナ投与の30分前に副腎皮質ホルモン剤を静脈内投与にて前投与します。 - ・投与間隔
ユプリズナは通常、成人には、イネビリズマブ(遺伝子組換え)として1回300mgを初回、2週後に点滴静注し、その後、初回投与から6ヵ月後に、以降6ヵ月に1回の間隔で点滴静注します。
- ・前投与
- ユプリズナはどのように効くのですか?
ユプリズナのCD19陽性B細胞を減少させる作用により、CD19陽性B細胞から変化したIgG4をつくる形質芽細胞や形質細胞が減少することが治療効果として推定されています1)。
用語解説- IgG42): 私たちの体には、侵入してきた病原体などの異物(抗原)を認識して、それを排除するために働く「抗体」という物質があります。抗体は免疫グロブリン(Ig)というタンパク質の一種で、形質細胞という細胞からつくられます。免疫グロブリンには、IgM、IgD、IgG、IgE、IgAという5つの種類があり、体の異なる部位で多様な機能を発揮しています。血液中の免疫グロブリンではIgGが最も多く含まれています。
また、IgGはさらにIgG1からIgG4の4つの種類に分類されます。健康な人ではIgG4はIgGの中で4%と最も量が少ないタンパク質です。 - B細胞3): 抗原に対する抗体をつくる免疫担当細胞です。
- CD193): B細胞の表面に発現し、B細胞の抗原に対する反応を制御する調節因子のひとつです。
- 1)Lanzillotta M, et al.: Mod Rheumatol. 2023; 33(2): 258-65.
- 2)Park JK, et al.: J Pers Med. 2022; 12(6): 855.
- 3)長谷川稔. 日臨免疫会誌. 2005; 28(5): 300-8.
- IgG42): 私たちの体には、侵入してきた病原体などの異物(抗原)を認識して、それを排除するために働く「抗体」という物質があります。抗体は免疫グロブリン(Ig)というタンパク質の一種で、形質細胞という細胞からつくられます。免疫グロブリンには、IgM、IgD、IgG、IgE、IgAという5つの種類があり、体の異なる部位で多様な機能を発揮しています。血液中の免疫グロブリンではIgGが最も多く含まれています。
- 治療期間中はどのようなことに注意すればいいのですか?
日常生活では体調管理に気をつけてください。
ユプリズナは、抗体製剤(タンパク質製剤)であるため、他の抗体製剤と同じく インフュージョンリアクションがあらわれる可能性があります。
また、ユプリズナは血液中のB細胞を減少させる作用があります。B細胞の役割は、体内に侵入した病原体を排除するために必要な「抗体」をつくり出し免疫に関わることにあります。ユプリズナにより血中のB細胞が減少すると、免疫機能が低下し感染症が発症しやすくなります。
そのためユプリズナによる治療を開始した後は、次のような副作用にご注意ください。
- ユプリズナにはどのような副作用があるのですか?
治療後に注意すべき症状
下記の副作用があらわれることがあります。症状の悪化を防ぐためには、早めに適切な処置を受けることが重要です。このような症状を感じたら、次の受診日を待たず、すぐに主治医、看護師、薬剤師にお知らせください。
- ・インフュージョンリアクション(Infusion reaction)
インフュージョンリアクションとは、薬剤の点滴注射時にみられる副作用のことです。
インフュージョンリアクションを予防するため、ユプリズナの点滴注射前に、抗ヒスタミン薬及び解熱鎮痛剤、副腎皮質ホルモン剤を使用することとされています。
主な症状はアナフィラキシー、頭痛、吐き気、意識の低下、呼吸困難、発熱、筋肉痛、発疹、動悸(どうき) などです。 - ・感染症
ユプリズナの点滴注射後に、風邪や尿路感染などの感染症を引き起こす可能性があります。
主な症状は発熱、寒気、体がだるい などです。 - ・B型肝炎ウイルス再活性化
これまでにB型肝炎にかかったことがある方やB型肝炎ウイルスに感染している場合、ウイルスの再活性化がみられることがあります。
主な症状は体がだるい、吐き気、嘔吐(おうと)、食欲不振、発熱、上腹部痛、黄疸[おうだん(皮膚が黄色くなる)]、体がかゆくなる、尿の色が濃くなる などです。 - ・進行性多巣性白質脳症(PML)
PMLは、免疫力が低下した状況でJCウイルスがまれに活性化して脳内に多発性の病巣(脱髄病巣)をきたす病気です。
主な症状はけいれん、意識の低下、意識の消失、しゃべりにくい、物忘れをする、手足の麻痺 などです。
- ・インフュージョンリアクション(Infusion reaction)
- 異常を感じた時はどうすればよいでしょうか?
異常を感じた時は主治医にご連絡ください。
ユプリズナによる治療中は インフュージョンリアクション、 感染症、 B型肝炎ウイルス再活性化による徴候・症状、 進行性多巣性白質脳症(PML)などの副作用が発現するおそれがあります。
気になる症状を感じた場合は、次の受診日を待たず、主治医、看護師、薬剤師にご連絡ください。
- 周囲へどのように病名告知をすればよいでしょうか?
IgG4関連疾患の病変が認められる臓器はさまざまで、ひとつだけでなく複数の臓器に同時又は別のタイミングで病変がみられることも少なくありません。
全身倦怠感などの見た目ではわからない症状が出ることもあれば、黄疸[おうだん(皮膚が黄色くなる)]やまぶたの腫れなど見てわかる症状も出てくることもありますので、誤解を避けるために、病名や病状を伝えておくことも考えられます。
IgG4関連疾患についてはまだ不明な点が多いですが、職場など、IgG4関連疾患の説明に加えてご自身の症状や配慮してもらいたい内容などをできるだけ明確に伝えることをおすすめします。
【説明の仕方の一例】- IgG4関連疾患は全身性の自己免疫疾患であること
- さまざまな臓器に同時又は別のタイミングで病変がみられることがあること
- 症状はさまざまであり、人やタイミングによって大きく異なること
- まだ、病気の原因はわからないが、研究が進んでいること
- 寿命にはそれほど影響しないこと
- 妊娠・出産はできますか?
ユプリズナ投与中及び最終投与後6ヵ月間は適切な避妊を行ってください。
- 授乳はできますか?
ユプリズナ投与中は授乳の継続又は中止を主治医とご相談ください。
